ヨコハマBJブルース (1981)

生活のために私立探偵をやる元刑事で売れないブルース・シンガーの活躍を描く。脚本は丸山昇一、監督は工藤栄一、撮影は仙元誠三がそれぞれ担当。

監督:工藤栄一
出演:松田優作、辺見マリ、蟹江敬三、田中浩二、山田辰夫、鹿沼えり、岡本麗、財津一郎、殿山泰司、馬淵晴子、宇崎竜童、内田裕也

ヨコハマBJブルース (1981)のストーリー

元刑事で売れないブルース・シンガーのBJ(松田優作)は、生活のために、仕事の合い間に私立探偵をやっている。その日も家出少年、近藤明(田中浩二)を捜して、横浜を支配するファミリーのボス牛(財津一郎)のところに来ていた。明はBJに「もう捜さないでくれ」と伝えてくれと話す。翌日、BJはかつての仲間、刑事の椋圭介(内田裕也)とゴルフ場で会った。椋は部下の紅屋(山西道弘)、BJの前で、何者かに狙撃された。圭介の妻、民子(辺見マリ)はかつて、BJの恋人で、紅屋は彼女をとられた腹いせに、誰かに狙らわせたのだろうとBJに詰め寄る。一方、BJも親友圭介狙撃殺人の捜査を独自に始めた。

圭介はファミリーに接近しすぎたため、警察からも組織からも危険な存在となっており、近く辞職して、国外脱出を考えていた。BJは、椋が撃たれたのと同じ銃を、牛の片腕の蟻(蟹江敬三)が持っていることを思い出した。蟻を追うBJは、彼も近日中に国外に出ることをつきとめる。蟻の女から、彼は現在、男にしか関心を示さないこと、ハード・ゲイの4人の男と関係していることを聞きだした。4人の集まる店に、なんと明も来ていた。明は、牛のペットとして、美しく飾られ、愛されていた。BJは明と話しているうちに、親しみを持つのだった。

一方、民子はBJを何かと避けようとする。ゲイの一人から蟻の行方をつかんだBJだが、反対に敵に捕えられてしまう。その夜、大きな麻薬取引のあることを聞いた。脱出したBJは、取引に向う車のトランクに隠れ、現場に同行した。そこへ、紅屋が現れ、一味を射殺すると金を奪って行く。後を追うBJ。紅屋の車に爆薬が仕掛けられており、彼はアクセルを踏むと、車もろとも吹っ飛んだ。そして、金も消えていた。横浜港に向う道の途中に、BJが待ちかまえていると、何と死んだはずの椋が車でやって来た。すべて、椋が仕組んでいたのだ。金を奪い国外脱出を計画していた椋をBJは射殺する。金を持ったBJは横浜港に向うと、出航を控えた船のタラップに、主人の椋を待つ民子の姿があった。岸壁に立つBJの姿を見とめた民子。BJは金の入ったトランクを置くと、民子に手を振って去っていくのだった。明は車のトランクの中に死体で見つかり、BJは彼を美しく化粧するのだった。

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