乱れからくり (1979)

玩具会社「鶴寿堂」社長馬割家で起った連続殺人の解決に乗り出す勝敏夫の活躍を描く。昭和五十三年度日本推理作家協会費を受賞した泡坂妻夫の同名小説の映画化で、脚本は永原秀一、監督は児玉進、撮影は上田正治がそれぞれ担当。

監督:児玉進
出演:松田優作、篠ひろ子、野際陽子、沖雅也、峰岸徹、岸田森、結城しのぶ、田中邦衛

乱れからくり (1979)のストーリー

玩具メーカー「鶴寿堂」の製作部長の馬割朋浩(沖雅也)が交通事故に遭って死んだ。息をひきとる直前、同乗していた妻、真棹(篠ひろ子)の首を締めようとしながら。「鶴寿堂」社長・馬割鉄馬(岸田森)に依頼されて会社乗取り工作を調査していた興信所の社員勝敏夫(松田優作)は、すんでの所で真棹を助け出した。馬割家は江戸時代以来の人形作り一節に歩んできた一族で、現在は、脳溢血で倒れた三代目の鉄馬に替って息子の宗児(峰岸徹)が営業部長を、鉄馬の弟、龍吉の息子朋浩が製作部長を担当して店の経営にあたっていた。しかし、朋浩の妻、真棹と宗児には肉体関係があり、朋浩と宗児の仲は業界でも評判の険悪なものであった。やがて、「朋浩さんは殺されたのよ!」と話していた宗児の妹の香尾里(結城しのぶ)が屋敷内で殺された。馬割一族の住む屋敷は〈ねじ屋敷〉と呼ばれるほど迷路の入り組んだ邸宅で外部の者はとても自由に歩けない。犯人は内部に存在するのか?つづいて宗児が自分の自慢の茶運び人形に仕掛けられた毒入りの注射器で殺された。敏夫は、茶運び人形の作者が江戸時代末期に金沢で活躍した天才人形師、大野弁吉であることをつきとめ、金沢に飛んだ。そこで、弁吉に鈴木久右衛門という愛弟子がいたこと、そして、ねじ屋敷の見取図を発見した。敏夫は東京に戻り、図面にあるねじ屋敷の洞窟に忍び込むと、そこには毒殺された鉄馬の姿が。警察は真棹を容疑者としてマーク、しかし、ある確信を持つ敏夫は彼女と温泉町に逃れ、そこで燃えるような一夜を過ごす。翌日、謎を究明しようとねじ屋敷に戻る二人。秘密の洞窟に忍び込んだそのとき、二人の前に突如として出現した驚くべき人物--それはなんと朋浩、事故死は偽装で、すべてが真棹に操られていたのである。乱闘の末、朋浩は井戸に落ち、真棹はニューヨークに逃げるのだった。

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